取引事例比較法

収入を想定するには、家賃の設定や入居率をどれほどに仮定するかなどの要素が必要です。

収入の算出の際に、どのような要素を重視するのかという違いによって、いくつか一般的とされる算出方法があります。

まず、取引事例比較法があります。またこの手法で算出される価格を比準価格と呼びます。これは構成する単語からイメージが湧きやすいと思います。取引の事例を比較する。他の取引の具体例と比べて、想定賃料を求めるわけです。

どのような取引を比較対象とするのでしょうか? 東京都のテナント向けの部屋の想定家賃を、沖縄の女性専用マンションのものとは比べても意味がありません。比較対象選出のポイントは、対象物件と条件の似ているサンプルを見つけることです。そのようにして選んだ取引事例ですが、条件が似通っているとは言え、それぞれに固有の条件を有するものです。その中で、賃料設定において有意である(意味がある)と思われる要因については、修正を行うか比較対象から外すかする必要があります。こうした修正にも複数の定義が細分化されていて、事情修正、地域修正、時点修正と言ったものが代表的です。

事情修正は必然的でない偶発的な個別の事情を考慮することで行われます。親族への格安での貸し出しなどです。

時点修正は、比較対象事例が10年前のものであったような場合に、今現在とは大きく状況が異なっているだろうという観点から修正を行うことです。10年前は新築だった物件は当然、現況は築10年の物件扱いとなるのです。

他にも物件固有の条件の差異、木造か鉄筋か、駅からの距離の違い、あらゆる有意の格差を考慮する必要があります。